小羊の悲鳴は止まない

好きな映画を好きな時に好きなように語りたい。

偏愛映画「キューブ■レッド」(ネタバレ有)

目次




初めに

こんばんは、レクと申します。

今回はですねー
評価は決して高くない。
周りの評判もあまり良くない。
でもめっちゃ好きなんです!
という作品「キューブ■レッド」をご紹介します。


初めに言っておきますが、これはオススメではありません、紹介です。

あくまでも個人的な
偏愛映画です!

鑑賞後に「面白くなかった!」と文句を言われても、自分は好きな映画なんでどうしようもありません(笑)


魅力ポイントはネタバレ有りで語っています
未鑑賞の方はご注意ください。

興味のある方は最後までお付き合いくださいませ。



あらすじ

キューブ■レッド [DVD]

キューブ■レッド [DVD]

『キューブ■レッド』
原題:La habitacion de Fermat
製作年:2007年
製作国:スペイン
上映時間:88分


あらすじ

ある日、数学者たちに「フェルマー」と名乗る人物から問題が書かれた手紙が届く。期限までに問題を回答することができた4人が選ばれ、とある湖畔の館に集まる。すると、突然用意された携帯情報端末PDA)に問題が送られてくる。指定された制限を過ぎると四方の壁が迫ってくるという事態に見舞われる。迫ってくる壁を止めるには、PDAに送られてきた問題を制限時間内に解かなければならない。極限の状態で問題に挑む4人。しかし、一見無関係と思える4人が何故この館に招待されたのか、そして招待主の目的が一体何なのか、ストーリーが進むに連れて真相が段々と明らかになる。
Wikipediaより引用


初めての鑑賞時は完全にタイトルで観た映画でした。
CUBEシリーズかと思いきや、"QUBE"

騙されたぜ!!!

CUREシリーズとは関係ありません(笑)


内容はシチュエーションスリラーとミステリーを合わせたような作品。
グロさやホラー要素はなく、観る側を引き込んでしまうミステリアスな魅力があります。

ちゃっかりDVD買っちゃってます(笑)



魅力ポイント その1

パーティーに招待された登場人物たちの偽名が有名な数学者や科学者たち。

フェルマー


ピエール・ド・フェルマー(Pierre de Fermat)
1607年末または1608年初頭 - 1665年1月12日
フランスの数学者。「数論の父」とも呼ばれる。ただし、職業は弁護士であり、数学は余暇に行ったものである。
Wikipediaより引用


パスカル


ブレーズ・パスカル(Blaise Pascal
1623年6月19日 - 1662年8月19日
フランスの哲学者、自然哲学者、物理学者、思想家、数学者、キリスト教神学者である。
Wikipediaより引用


ヒルベルト


ダフィット・ヒルベルト(David Hilbert)
1862年1月23日 - 1943年2月14日
ドイツの数学者。「現代数学の父」と呼ばれる。名はダヴィット,ダヴィド、ダーフィットなどとも表記される。
Wikipediaより引用


ガロア


エヴァリスト・ガロア(Évariste Galois)
1811年10月25日 - 1832年5月31日
フランスの数学者および革命家である。フランス語の原音に忠実に「ガロワ」と表記されることもある。
Wikipediaより引用


オリヴァ

オリヴァ・サブーコ(Oliva sabuco)
1562 -
科学者。
Wikipediaに記載なし



魅力ポイント その2

日本語吹替は豪華な声優キャスト。

敬称略
フェルマー(糸 博)
ヒルベルト(坂口芳貞)
パスカル(池田秀一)
ガロア(花輪英司)
オリヴァ(岡寛恵)



魅力ポイント その3

作中で出題される問題。

解答時間は1分。
時間が来れば答えが出るまでの間、四方の壁が迫ってくる。
そしてそれと同時に次々と明かされていく登場人物の関係と犯人の目的。

その問題と解答を紹介していきます。



1問目
「スイーツ店に中身の見えない箱が3つ届いた。
1箱はミント。もう一つはアニシード。
残りの1箱は両方のミックス。
箱には ミント アニシード ミックス の表示してあって、3箱すべての表示が間違っている。
3つの箱の中身を確認するために、スイーツをどの箱からいくつ取り出せばすべての中身が確かめられるか?」


2問目
「次の暗号を解け。
0000000000000001111111110001111111111100111111111110011000100011001100010001100111110111110011110001111000111111111000001010101000000110101100000011111110000000000000000」


3問目
「完全に密閉された部屋の中に電球が一つだけ取り付けられている。
部屋の外には3つのスイッチがあるが、電球が点くのは1つだけ。
ドアが閉じている間は何度でもスイッチを押せるが、ドアが開いている場合はスイッチは1度しか押せない。
何回で電球が点くスイッチがわかるか?」


4問目
「4分と7分が計れる砂時計がある。
この2つを使って9分を計る方法は?」


5問目
「生徒に3人の娘の歳を聞かれ、掛け算で36になり、足し算で家の番地になると先生は答えた。
更に質問されて先生は次のように答えた。
長女はピアノを弾く。
娘達の年齢は?」


6問目
「嘘の国の住人は必ず嘘をつく。
真実の国の住人は必ず真実を言う。
他所の国から来た男が部屋に閉じ込められ、ドアは2つあって出口は一つだけ。
一つのドアには嘘の国の門番が立ち、もう一つには真実の国の門番。
閉じ込められた男は外に出る為、門番に一つだけ質問することが出来る。
しかし、門番の出身地は男には分からない。
質問を考えよ。」


7問目
「ある母親の年齢は彼女の息子より21歳年下。
6年後に息子の歳を5倍すると、母親の年齢になる。
父親は何をしている?」



魅力ポイント その4

各々の人間関係。


汚い字で申し訳ございません。
大体こんな構図。

ヒルベルトは「ゴールドバッハの予想」の証明を先越されたガロアに敵対心を持ち、自殺まで考えるほど絶望し、今回の犯行を思いつく。
ガロアの情報を聞き出す為にオリヴァに近づいた。
そして、パスカルの事故の件でフェルマーが復讐し、他が巻き込まれたかのように見立てる計画でした。

完全なる逆恨み!

偉人に準えて付けられた偽名は、その偉人が亡くなった年齢と一致させる為。
如何にも数学者らしい。



そして、何よりも面白かった(と言ったら不謹慎ですが)のが、赤枠のフェルマーパスカルの関係。
パスカルフェルマーの娘を車で轢いてしまった経緯です。


数ヶ月前、パスカルは発明した人形の特許を売った。
記念パーティーの会場に電話が掛かってきた。
あの日は大雨でタクシーが拾えなくて、重役が遅れると。
パスカルは迎えに行く為に重役の自宅へ向かう。
その道中、車内の悪臭に気づいた。


犬のフンだった

この時点で爆笑ですよね(笑)


こんな匂いの中に重役は乗せられない。
大雨で窓も開けられない。
仕方なく、靴を脱いでグローブボックスに入れた。
顔を上げたら…目の前に女の子が。
信号も横断歩道もない道をこっちを見ずに渡ってた。
急ブレーキを踏んでも間に合わないタイミングだったが、その上…躊躇った。

「ペダルに付いた犬のフンで、素足が汚れる」

そう思って、咄嗟に踏めなかった。
ブレーキをかけた。
だけど一瞬、躊躇したせいで完全に遅くなってしまった。
女の子を跳ねた。
救急車を呼んだけど、到着する前に現場から逃げた。
翌日、警察に出頭。
何度も謝罪しに行ったが会ってくれなかった。


犬のフンを踏んで事故とは何とも不運な。
この弱みをヒルベルトに利用されたんですね。



総評

ストーリーはオーソドックスな展開で少し先が読めてしまったのが残念です。
幾つかの伏線も敷かれてますが、どこか薄っぺらさも感じてしまう。

しかし、死への恐怖、焦り、危機感、緊迫感などの心理的状況から、出題される問題への難易度も上がる。
そして、その心理描写があるからこそ、ストーリーは単純なものでよかった気がします。

また、心理描写だけが見せ場ではなくカメラワークやBGMもまた良い雰囲気を出してます。


グロさはなく、苦手な方も安心。
ただ、視覚的な描写を期待して観た方は肩透かしを食らうでしょうね。
精神的に追い詰められる描写的がメインとなってますし。

個人的に色んな意味で、ものすっごく好きな系統の映画なんですよ!



余談

この作品でも持ち出された「ゴールドバッハの予想」とは何か。
簡単に説明しておきましょう。


1742年にゴールドバッハが論じた加法的整数論のひとつ。

「4以上の全ての偶数は、二つの素数の和で表すことができる。
6以上の全ての偶数は、二つの奇素数の和で表すことができる。」

これがゴールドバッハの予想です。

例えば
16=3+13=5+11
56=3+53=13+43=19+37

もっと大きな数字でいきましょうか。
自分の誕生月日は11月18日なんで1118で。

1118=5+1113=67+1051=79+1039=97+1021=109+1009
こんな感じです。


ですが、未だに数学的証明には至っておりません。
2012年現在、4×10^18までの全ての偶数について成り立つことが、コンピュータによって確かめられている。

詳しくはこちら。
ゴールドバッハの予想 - Wikipedia


確かに、3以上の素数は全てが奇数なので
素数素数=偶数」ということの証明は至極簡単です。

ですが、素数素数」で必ず全ての偶数を表せる証明ではありません。
素数素数=偶数」=「偶数=素数素数」ではないのです。

数学でやった事象A=事象Bであっても事象B≠事象Aの場合がある。
必ずしもA=BはB=Aになるとは限らないというアレです。

例を挙げるなら洋画=映画ですが、映画=洋画かと言われたら違いますよね?


よって、素数の和で全ての偶数を表しきれるか。
が論点になるわけですが。

逆に表しきれない証明も出来ないわけで、それを証明してもゴールドバッハの予想を証明したことにはならない。

そうです、悪魔の証明なんですよ。



悪魔の存在を証明するためには悪魔を1匹でも連れて来ればいいが、存在しないことを証明するには全世界全てを隈なく探さないといけない。
この二つの証明には難易度の大きな違いが生まれます。

ですが、存在しないことを証明しても存在することの証明にはなりませんよね?
こういうのを悪魔の証明といいます。
例に悪魔を出しましたが、宇宙人や幽霊なども然り。

まぁこういった議論の場合は積極的可能性を論じる方。
つまり「ある」と主張する側がその証明責任を負うのが一般的。


でもこの悪魔の証明って本当に怖くて、痴漢の冤罪なんかはこれそのものですよね。

痴漢されたと訴える側の女性を世間一般は心情的にも擁護してしまいます。
痴漢された証拠を提示されなければ男性側は証拠不十分で不起訴ですが、もし少しでも目撃証言等(嘘であっても)があれば本来は証明責任のない男性側がやっていない、無実であると証明しなければならない。

痴漢をしていない証拠を物証することは不可能に近い。
結局のところ、目撃者の証言しかないのだ。
たとえ不起訴であっても「あいつ痴漢した」疑惑で外歩けないでしょうしね。

あ、話が逸れてました!


えー…もし、ゴールドバッハの予想を数理的証明出来たのなら、数学で世界最高の賞であるフィールズ賞を獲得出来るだろうなあ。



終わりに


「キューブ■レッド」の魅力を好き勝手に語りましたが、改めてこの作品が好きなんだと思いましたね(笑)


最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。

以下、問題の解答と解説。










1問目解答
パスカル「ミックスの箱から1個取り出せばいい」

解説
"箱の表示は間違っている"がポイント。
ミックスではないからミントが入っていればミント。
ミントの箱はミックスにはなり得ない、なぜならアニシードの箱がアニシードになってしまうから。
この場合、アニシードの箱がミックスでミントの箱がアニシード。
ミックスの箱の中身がアニシードだったらアニシード。
アニシードの箱がミントで、ミントの箱がミックス。



2問目解答
オリヴァ「髑髏」

解説
169個の0と1の数字を13✕13で並べると髑髏マークが浮かび上がる。



3問目解答
オリヴァ「2回」

解説
電球の温度。
スイッチ1を入れておいて暫くしたら切る。
その後スイッチ2を入れてドアを開ける。
電球が点いたら2が正解。
電球が消えてるけど熱ければ1が正解。
電球が消えていて冷たかったら3が正解。



4問目解答解説
オリヴァ「2つの砂時計を同時にスタート。
4分計の砂が落ちきったら逆さまにする。
これで4分経過。
それから3分後に7分計の砂が落ちきるからこれを逆さまにする。
4分計の砂が再び落ちきったら合計8分。
この時、7分計は1分経過してるから逆さまにすれば9分が計れる。」



5問目解答
ガロア「9歳長女と2歳の双子」

解説
ガロア曰く、定番の問題らしい(笑)



6問目解答
パスカル「どちらかの門番に聞けばいい。
相手がどっちのドアを教えるか?と」

解説
門番がどちらの出身でも間違ったドアを指差す。



7問目解答
ヒルベルト父親は夫婦の営み中」

解説
母親が21歳の時、息子はマイナス3/4歳。
つまり9ヶ月で子作り中。