小羊の悲鳴は止まない

好きな映画を好きな時に好きなように語りたい。

先へと歩ませるメッセージ(「メッセージ」ネタバレ感想)

目次




初めに

どうも、レクでございます。
最近、新作を観ていないこともありブログの更新頻度が著しく低下しているので、更新することを目的とした上で
考察記事とは異なりますが、自分の思考や映画から受け取った感想などを簡単に語っておこうと思い、書かせていただきました。

第一弾はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作「メッセージ」です。



作品概要


原題︰Arrival
製作年︰2016年
製作国︰アメリカ
配給︰ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間︰116分
映倫区分︰G



解説

「プリズナーズ」「ボーダーライン」などを手がけ、2017年公開の「ブレードランナー 2049」の監督にも抜擢されたカナダの鬼才ドゥニ・ビルヌーブが、異星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。主人公ルイーズ役は「アメリカン・ハッスル」「魔法にかけられて」のエイミー・アダムス。その他、「アベンジャーズ」「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナー、「ラストキング・オブ・スコットランド」でオスカー受賞のフォレスト・ウィテカーが共演。
メッセージ : 作品情報 - 映画.comより引用



短評

先に言っておきますが、今作「メッセージ」は僕の劇場鑑賞2017年ベスト4です。



ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作の中でも上位に入るほど気に入っている映画ですね。


では早速、本題に入っていきます。



SF設定を非常に上手く使った人間ドラマであり、内容は濃密で綺麗に纏め上げられた傑作。
SFというジャンルにおいては今まで観てきた作品をも凌駕する圧倒的な完成度の高さ。

未知との遭遇、そんな得体の知れない何かへと接触を試みるまでの過程はもの静かでどこか不気味な音響と相俟って緊張感を高めてくれる。



そしてファーストコンタクト。
あえて無音にすることで息づかいや鼓動までもが聞こえてきそうな緊張のピークを非常に巧みに演出しています。

地球人が宇宙人と遭遇する作品はこれまでにも幾つもあります。
しかし、宇宙人の音声言語は必ずしも今の我々が理解できる言語とは限りません。
その音声言語を如何に表現し、未知の音声言語からどう意思疎通を図るのか。
細かく一から過程を描いた作品は珍しいのではないでしょうか?


以外、ネタバレありの駄文。




駄文

さて、前置きでは未知との遭遇について記述しましたが、ここから本題へと入っていきます。


ヘプタポッドの使用する象形文字のような言語。
この文字が円形なのもまた、過去と現在と未来を繋ぐ輪のようなものを表している。

逆を言えば、彼らの言語は時間という概念を持たない。ということ。
それに触れることでルイーズは未来の映像を少しずつ見ることができるようになります。

それは時間という概念、束縛からの解放を意味しています。 しかし、これは過去や未来を変える力ではなく、あくまでも見ることができるだけの力。
言い換えるなら、新たな見方、視点、価値観、世界観を獲得したということに繋がるのです。


時とは不可逆的なもので過去も未来も変えられない。 そんなある意味、残酷な現実を突きつけつつも、新たな物事の向き合い方に気付かせてくれる。

現在、未来への価値や可能性を示唆させるこの作品は自分たちを先へと歩ませるメッセージだと思う。



とは言ったものの、自分に待ち受ける未来が悲しい結末だったとして、それを受け入れることは果たして可能なのだろうか?

ラストでルイーズはイアンと結ばれることを望みます。
離婚し、娘が病死することを知っていても。

いや、知っているからこそ、それまでのひとつひとつの幸せを選んだわけです。


人間というのは「こうしておけばよかった」「こうなりたい」など過去や未来に現在では手に入らないもの、後悔や理想を求めてしまういきものです。

過去は二度と変えられない。

一方、明るい話をするなら未来は変えられる可能性はある。
しかし、変えることができない事象があることもまた事実なのだ。

そんな期待を匂わせつつも、逃れられない現実を見せることで、その時間の価値に気付かせてくれる。

辛い現実が待ち受けていようとも、見方を変えれば家族と過ごす時間は大切なひと時は何物にも代え難い幸せなのだと改めて考え直させるものなのだ。

この事に気付かせてくれたもの。
それは紛れもなくヘプタポッドとの出会いであり、意思疎通できる言語、つまり"言葉"、コミュニケーションということ。


作中でもヘプタポッドの語彙が足らず"WEPON"と"GIFT"の言葉選び一つで危機的状況に陥りましたが、我々も同じように意味をちゃんと伝えなければ誤解が生じます。

しっかりと話し合い、コミュニケーションが取れれば共に理解し合えることもある。
それがヘプタポッドが人類に与えた"WEPON"なのだということ。

あくまで未来を見通せる力はその過程で得た結果であり、その根本はコミュニケーション能力、"言葉"にあると自分は思います。
そして、その"言葉"が齎すものが"愛"なのだと感じさせてくれる。

ルイーズの『もし未来が見えたら選択を変える?』 に対し、イアンは『いや、もっと愛を伝えることにする』と返答したのが正にこれです。 非常に綺麗な終わり方だと自分が思ったのもここなんですよね。



SF作品「インターステラー」
その作品でも愛は時空を超える唯一のもの。と表現されています。
圧倒的な映像美や近未来設定だけがSF作品ではない。


「メッセージ」もまた、愛をテーマとした美しい人間ドラマなんです。

あまりに圧倒された作品なので、自分の中で美化している部分はあるかもしれない。
この作品の"メッセージ"を全て汲み取れたとも言えないし、上手く言葉で表現出来ているかも疑問だ。

あえてここで一つだけ言うとするなら、自分はこの作品が好きだということです。



終わりに

ということで、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作「メッセージ」について簡単に語らせていただきました。


最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。



© 2017 SONY PICTURES ENTERTAINMENT (JAPAN) INC. ALL RIGHTS RESERVED.