小羊の悲鳴は止まない

好きな映画を好きな時に好きなように語りたい。

2020年レクデミー賞(排泄部門)

目次




初めに

あけましておめでとうございます。
どうも、レクです。

久しぶりの更新となりましたが、今年もよろしくお願いいたします。



さてさて、昨年2020年は豊作に恵まれまして、一昨年2019年は発表ツイートのみとさせていただいていた年に一度の映画の祭典
【レクデミー賞(排泄部門)】
の授賞式をこの度執り行う運びとなりました。



完全におふざけなのですが、作品自体は真剣に選出しています。
あくまでも僕の個人的な賞なので、当然全てが主観です(笑)

コロナ禍で少しでも楽しんでもらえたらと、授賞式という形でツイキャスもさせていただきましたが、(ならないとは思いますが)映画を観るキッカケになれば幸いです。





ということでですね、本題に入る前に
ご存知ない方のために排泄映画とは何なのかという説明からさせていただこうと思います。

基準は簡単です。
直接的間接的、大小に関わらず排泄行為及び排泄物が劇中で映るもしくは描かれるか否か。
これだけです。



まず、排泄映画の存在意義と価値について少し語っていきます。
僕が何故このような汚い描写にこだわるのか?から話していかなければなりません。


以前にもツイートした内容ですが
僕がすごいと感じる映画の中には、不味そうなご飯を本当に不味そうに見せながら美味そうに食べたり、汚いものが何故か美しく見えたり、そういった画力が一つあると思うんです。

綺麗なものが美しく見えるのは当然で、いくらでもそれは描けると思うんですよ。
汚いものほど人は目を瞑り、逸らしがちで。
だからこそそれをしっかりと見せられる画力ってのがあると、その画に説得力が生まれる。


動物もそうですが、人間という生き物は必ずおしっこやうんこをする生き物です。
例えば映画の世界でも、サスペンスでよくある身代金誘拐や「ソウ」のように突然隔離された場所に24時間監禁されるシチュエーションってありますよね?
監禁される人は当然おしっこもうんこもしたくなるでしょ?
なのに作品によってはその描写が一切ないものが多いんです。

他にも、ロードムービーのように長時間歩いたり車に乗って移動する際、途中で立ちションしたりサービスエリアに立ち寄ってトイレに向かうなんて描写もそう。



勿論、そんなシーンを挿入することで物語の流れ、テンポを乱してしまうという意見はごもっともです。
が、逆にわざわざそのような場面でおしっこをしたりトイレに行くといった排泄描写を入れることでリアリティのあるものに仕上がるんです。
却ってそれが物語に説得力を持たせることにも繋がるんですよ。

だからこそ、不自然ではない必要な場面では、何かしら排泄行為が絡む描写がほしいわけです。
逆を言えば、排泄描写には何らかの意味があったりするんですよ。


めちゃくちゃ急いでるのにうんこ我慢できなくなって野糞する、みたいなシーンがあればもう最高ですよね!



排泄描写だけでなく、それらを踏まえた上でそのワンシーンワンシーンが本来は汚いものが綺麗に見える、もしくは醜いものが美しく見える力を持つとその画は悪徳から美徳へと変わって、その思考の混乱は無自覚の衝撃となって脳裏に刻まれる。

まさに『ROMA/ローマ』で使われた犬のうんこです、これ。
うんちの宝石箱やあ。





ここでですね、2019年のレクデミー賞排泄部門を振り返ってみましょう。




そうなんです。
2019年のおれなら的2019年映画ベスト10の1位「ゴーストランドの惨劇」は2019年のレクデミー賞でも二冠に輝いてる素晴らしい映画なんですよ!




ノミネート作品

さて、長々と前置きをしましたがやっと本題に入っていきますね。


2020年レクデミー賞(排泄部門)
【ノミネート作品】
f:id:tsotl_7:20210106001808j:plain


上半期 ※鑑賞順
『パラサイト 半地下の家族』
『前田建設ファンタジー営業部』
『37セカンズ』
『ミッドサマー』
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』
『スケアリーストーリーズ 怖い本』
『犬鳴村』
『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』
『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』

下半期 ※鑑賞順
『ナイチンゲール』
『いつくしみふかき』
『マティアス&マキシム』
『思い思われふりふられ アニメ版』
『鵞鳥湖の夜』
『マロナの幻想的な物語り』
『僕の名はパリエルム・ペルマール』
『ストゥリー 女に呪われた町』
『異端の鳥』
『オルジャスの白い馬』
『ザ・ハント』
『タイトル、拒絶』
『さくら』
『Mank/マンク』
『ナンシー』



以上、全25作品が【レクデミー賞(排泄部門)】のノミネート作品となります。




17部門賞の発表

冒頭に語りましたが、先日行ったツイキャスにて
2020年レクデミー賞(排泄部門)でクイズ形式として各部門賞を発表しました。

そこでクイズにしなかった部門賞があります。
それがドキュメンタリー賞です。

これは2020年に僕が鑑賞した中で1作しかなかったので即決しました。
なのでノミネート作品からは外れています。

では、ドキュメンタリー賞の発表です。





ドキュメンタリー賞

『行き止まりの世界に生まれて』
f:id:tsotl_7:20210106003713j:plain


アメリカのイリノイ州ロックフォードに暮らす少年たちが、家庭問題や差別から逃れるようにスケボーにのめり込む。
そんな彼らが大人になるにつれて様々な壁にぶちあたりながら成長していく姿を捉えたドキュメンタリー映画。

障害物を乗り越え、転べば傷だらけになり、それでも疾走感で街中をかけ巡る姿が彼らの生き様と重なる。


排泄描写は、彼らが訪れた廃屋の中に散乱した犬のうんち。
嘘偽りのない荒れ果てた廃屋。





音響編集賞

音響編集賞︰排泄描写の音
『異端の鳥』
f:id:tsotl_7:20210106003937j:plain


原題でもある羽を塗られた鳥が群れから排他されるように、人が人を迫害する光景。
異質なものの排除、被害者転じて加害者へ。
過去だけでなく現代にも通ずる人間の本質を一貫して切り取っている。

少年視点でホロコーストを描いた『縞模様のパジャマの少年』同様"大人が子供に教えるものは常に正しいとは限らず、犠牲となるのは子供である"ことがその根底にある。
環境が人を変えてしまう恐怖。
蝿の飛び交う音、烏の鳴き声、死臭漂う不条理な世界に…いや、人間の業に卒倒する。

年間ベストにあげておられる方も多いですね。
この物語の暴力性や残虐性みたいなものが動物たちの扱いで予め掲示されるんですよね。
この程度のグロは普通に見せるよ?って感じで。
中盤、同じような話運びで少し飽きてくるんですよ、あの映像美だけで169分持たせるには少し厳しい。
ただ、一見散漫に映るエピソードのすべては人の蛮行によって少年の心が黒く塗り潰されていく過程を丁寧に描いたもの。


排泄描写は、婆さんの奴隷として拾われた少年が婆さんの立ちションを目撃するシーン。
劇伴のないこの映画だからこそ映えてる排泄音。




美術賞

美術賞︰排泄物の見た目
『スケアリーストーリーズ 怖い本』
f:id:tsotl_7:20210106004710j:plain


幽霊屋敷で見つけた本、そこに書かれた怖い話に沿って子どもたちが消えていく。
怖い本の呪いから逃れるためには?
ホラー映画でベスト20圏内に入る「ジェーンドウの解剖」の監督のアンドレ・ヴーヴレダル。

創作物が現実に干渉する、こういう設定が物凄く好きなんですが、サブタイトルにもある"本=バイブル=聖書"として観るとこの映画の考察余地もある。
制作に関わっているギレルモ・デル・トロのクリーチャー造形も良くて割と楽しめた映画です。


排泄描写は、うんこを網で掬って紙袋に入れていじめっ子に投げつけるうんこ爆弾。
大便器から掬う大便のフォルムが凄い。





編集賞

編集賞︰排泄描写の編集
『オリ・マキの人生で最も幸せな日』
f:id:tsotl_7:20210106005024j:plain


世界タイトル戦を控えたプロボクサーが女性に恋をしてしまって試合どころじゃなくなっていく。
オリマキにとって最も幸せな日とは勝利か?それとも恋の成就か?
‪第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ受賞作。‬
人を想うことの優しさや愛おしさ、等身大の愛が齎す多幸感に包まれるその余韻に描かれていない背景、ひとりの男の人生を見た。

16ミリのモノクロ映像が輝きを放つ。
ボクサーが主人公ではあるがスポ根がこの映画の主題でないこと、これは人生において何が必要なのかというメッセージ。
周りの期待や自身の抱く責任、そこから解放してくれる何気ないひと言に救われる。
一般的な価値観を超越する感情、心を突き動かすものが愛なのだ。


排泄描写は、雨の中で車に乗っていると娘が尿意を訴え、近くの屋敷でトイレを借りる。
主人公とおっさんたちの会話の中で時間的に「娘のおしっこ長くない?」と見ている途中でも思わせない編集力。





撮影賞

撮影賞︰排泄描写のカット割、カメラワーク
『パラサイト 半地下の家族』
f:id:tsotl_7:20210106005353j:plain


半地下で暮らす貧困層の家族が裕福な家庭に寄生していく物語。
ポン・ジュノ監督作に共通するものは何か?と考えた時に見えてくるのは
社会問題を提起し、それでいてあくまでも娯楽の中で捉える圧倒的センス。
これだと思います。
映画という娯楽性を損なわず、ユーモアさを交えながら社会風刺を練り込み、そして日常が非日常へと切り替わるポイントを持ち前の演出力で描き切る。

『パラサイト 半地下の家族』は富裕層と貧困層の格差がテーマ、それを匂わす演出の数々。
上下の対比や格差を高低差を用いてさり気なく、それでいてしっかりと画として見せているんです。

ポン・ジュノ監督の過去作『スノーピアサー』でもひとつの列車に富裕層と貧困層が同乗し、富裕層のいる先頭車両を目指すといった底辺から頂点へと抗う姿が描かれましたね。
昨今、このような貧富の格差をテーマとした映画、例えば是枝裕和監督作『万引き家族』や片山慎三監督作『岬の兄妹』など日本でも数多く作られており、映画だけでなく現実を生きる我々国民も目を背けるわけにはいかない問題へと発展しています。

社会的な階級の中で、半地下の住人がその貧困層から抜け出すべくある計画に移す物語。
今作『パラサイト 半地下の家族』のテーマでもある貧困層が富裕層へ抱く羨望や憤怒はジョーダン・ピール監督作『アス』にも通じる部分がある。
『パラサイト 半地下の家族』と『アス』の比較は『アス』のネタバレになるので割愛しますが、良い意味でポン・ジュノ監督とジョーダン・ピール監督の作家性の比較にもなる映画だと思います。


排泄描写は、言わずもがな。
日常で底辺を象徴する酔っ払いの立ちションをサブタイトルの韓国特有の貧困層を示す半地下の家から眺めるローアングルで捉えたショット。

排泄描写から社会性を問う映画だ。





視覚効果賞

視覚効果賞︰排泄物に関しての視覚効果
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BOP』
f:id:tsotl_7:20210106010004j:plain


ジョーカーと別れて束縛から解放れたハーレイ・クインが、謎のダイヤを盗んだ少女をめぐりマフィアと対立する話。
基本的に女性vs男性の構図に正直セクシズムをクドいくらい強調されていて乗り切れず。
この映画については語ることはほぼないので割愛しますが、気になる方はブログを読んでください(笑)

排泄描写は、謎のダイヤを飲み込んだ少女がキラキラのうんちを排泄する。
ポップでカラフルなハーレイ・クインの世界観に合った排泄描写ではないでしょうか。





衣装賞

衣装賞︰排泄する時の衣装と物語のバランス
『ナイチンゲール』
f:id:tsotl_7:20210106010135j:plain


ジェニファー・ケント監督の長編2作目。
長編デビュー作『ババドック 暗闇の魔物』との共通点は母親の視点から最悪の悪夢を目の当たりにすること。
どちらも気が滅入る話ではあります。

19世紀のオーストラリア、タスマニアを舞台に
‪差別や抑圧、そしてマチズモの思想が心身ともに追い詰める支配的構図を描いた女の復讐劇。
そんな現状を切り崩す糸口は対立しながらも手を取り合うアイルランド系主人公とアボリジニの青年二人の旅路の中にあるのではないかと僕はこの映画を見ていて思いました。
復讐劇の中にあるロードムービーが本当にいい役割を担ってるんですよ。
‪目を覆いたくなるような悲惨で残酷な世界であっても輝く陽は昇る。‬


排泄描写は、木下ほうか似の男がロードムービー中に排泄する。
この衣装が時代考証としてイギリス人とアボリジニの格差が見て取れる。





脚色賞

脚色賞︰排泄描写を脚本に溶け込ませる
『前田建設ファンタジー営業部』
f:id:tsotl_7:20210106010516j:plain


マジンガーZの格納庫は実際に作れるのか?
ものを作ることの楽しさ、働くことの大切さ、アニメ愛、恋。
人の持つエネルギー、何かに熱くなることをテーマにそれぞれの登場人物がそれぞれの形でこの無謀なプロジェクトに挑む。

この映画は英勉監督の作家性がちゃんと出てるんですよね。
『映像研には手を出すな!』も然り、『妖怪人間ベラ』も然り…『ぐらんぶる』は記憶から消したい。
英勉監督の作家性はSFやファンタジー、人が想像する空想世界を実現する夢に溢れたエンターテイメント。

排泄描写は、男子トイレでのやり取り。
その想像に溢れたアイデアの発信、交換こそ男子トイレにおける会話。
会議室のような畏まった場所ではなく、トイレや喫煙所、そういった緩んだ場所でこそ本音が出たりするもの。
室井さん聞こえるか?事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!
つまりそういうことです(?)





脚本賞

脚本賞︰排泄描写が物語を構成
『ストゥリー 女に呪われた町』
f:id:tsotl_7:20210106011216j:plain


男が女幽霊に攫われるインドのオカルトホラー。
インド映画では定番の男尊女卑を根底にしたシリアスな問題を軽快なコミカルさで見せる面白さ。
インドホラーはホラーホラーしてなくて、割と軽いノリでホラー映画としては弱いんですよね。

主演はラージクマール・ラーオで、この方を目当てにみたんですが、そのラージクマール・ラーオを翻弄する美女はシュラッダー・カプール。『サーホー』のヒロイン。
友人の一人はアパルシャクティ・クラナ、『盲目のメロディ』主演アユシュマン・クラナの弟らしく、そっくり。
キャストを見ても素晴らしい。

で、この町ではその女幽霊にさらわれないように家の壁におまじないを書くんですが、酔った勢いでラージクマール・ラーオがそのおまじないを立ちションで消しちゃうことで機器に瀕する。
立ちションで物語が始まり、立ちションによって転調するバカげた物語なんですよ。

排泄描写は、三度挿入される立ちション。
男であるからこそ壁に書かれた文字をおしっこで消せる、その男が狙われるという相互関係。
文句なしの入賞です、おめでとうございます!





国際映画賞

国際映画賞(外国語映画賞)︰本家アカデミー賞に則って英語圏外の作品
『犬鳴村』
f:id:tsotl_7:20210106011604j:plain


三吉彩花演じる臨床心理士の主人公の身の回りで不可解な出来事が起こる。
原因を追求していくとある村にたどり着いた。
心霊スポットを舞台に村の謎と恐怖に迫るオカルトホラー。

この映画は後半の展開を受け入れられるかどうかで映画自体の評価が賛にも否にもなると思います。
僕は後半の展開はだめでした。
前半のオカルティック排泄描写があるにも関わらず、そのオカルティックな演出から更にひと展開入れようと大袈裟に脚色しすぎてしまって前半のオカルティックな雰囲気を最後まで活かしきれなかった清水崇の弱さ。

しかしですよ、この映画はある意味でハリウッド受けしそうな気がするんですよね。
『心霊写真』というタイ製作映画をハリウッドリメイクした『シャッター』という映画も、前半がオカルトで後半はくだらないクリーチャームービーに成り下がるんです(笑)
日本の良さを出しながら、ハリウッド的な脚色が活きそうなのが本作『犬鳴村』だと思います。

排泄描写は、オカルティック排泄描写。





長編アニメ賞

長編アニメ賞︰長編アニメーション映画
『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』
f:id:tsotl_7:20210106014142j:plain


タイトル通り黎明卿ことボンドルドとの直接対決がメインで、徹頭徹尾クライマックスなんですよ。
アニメの続編ではあるのでこの映画だけで評価しきれないのが唯一の欠点ですね。

本作は“子どもが主人公”ということが強調されており、大人がメインキャラクターの作品よりも残虐な描写に対するハードルが上がるんです。
公開1ヶ月前を切った12月25日にはR15+にレイティングが引き上げられたことが発表され、鑑賞できなくなった15歳以下の観客へ前売り券の返金対応を発表する事態にもなりましたね。
可愛らしいキャラデザと過酷な冒険や精神的にくるグロ描写、このギャップが本作の魅力の一つでもありますが、その根底には飽くなき探究心や歪んだ愛、人の心を揺さぶる物語が観る者を熱くさせる。


排泄描写は、拷問シーンのお漏らし。
お漏らしシーンは15歳未満が見たらその夜にお漏らししてしまうほどのエグい排泄描写です。





助演女優賞

助演女優賞︰敬称略
大谷凛香『犬鳴村』
f:id:tsotl_7:20210106014405j:plain


ついに手に入れました、オカルティック排泄描写の画像を!!!
作品詳細は国際映画賞で記載したため割愛。

『犬鳴村』の評価はほぼほぼ前半の、いやオカルティック排泄描写です。
オカルティック排泄はフォロワーさんのごく一部で昨年の流行語でした。
初見時の興奮、そして憑依の怖さを物語る彼女の熱演、申し分なしの助演女優賞ですね。





助演男優賞

助演男優賞︰敬称略
ウィル・ポールター『ミッドサマー』
f:id:tsotl_7:20210106014641j:plain


祝祭がはじまる。
『ウィッカーマン』を元ネタに作られたアリ・アスター監督の長編2作目。
長編デビュー作『へレディタリー 継承』と同じく家族にトラウマを持つ主人公が擬似家族による集団を形成することである種の救済措置として機能している。

アリアスター自身、コメディを作りたいという願望があるみたいで本人もホラーというよりダークコメディだと明言してますね。
本当にそうなんですかね!?
アリ・アスター監督にとってのダークコメディは我々にとってのホラーなんじゃないのか?
などと深読みしていたら、ちょっと恐ろしいものが見えてくるんですが、長くなるので詳しくは僕のブログを読んでください(笑)

えー、こちらも助演女優賞同様に鑑賞時には既に受賞は決まってました。
『メイズランナー』など子役を経て『デトロイト』では強烈なインパクトを与えたウィル・ポールター。


排泄描写は、冒涜行為にあたる神木への立ちション。
この排泄シーンがあることで、この先、彼に何が起こるのだろうか?といった不安が煽られ、観客の想像を掻き立てる重要な場面ですね。





主演女優賞

主演女優賞︰敬称略
ベティ・ギルピン『ザ・ハント』
f:id:tsotl_7:20210106015005j:plain


森で目覚めた複数の男女、わけもわからず命を狙われ武器を取りトラップを掻い潜る。
それはネット上で蔓延る人間狩りのゲームだった。
リベラルと保守、その両方を中立の視点で両側に中指を立てるような映画で、アメリカ社会を痛烈に批判した問題作。
トランプ大統領が激おこプンプン丸だったそうですが、そんなことは置いといてバイオレンス映画としての娯楽性も高いです。

多分、映画として100点満点で70点くらいの評価になる位置づけだけど、バイオレンス娯楽作が好きな人は120点つけちゃうよ!みたいなノリとアクションのかっこよさ。


排泄描写は、主人公の野尿。
えーやっと名前覚えました、ベティ・ギルピン。
彼女の潔さはかっこいいし男前すぎる。





主演男優賞

主演男優賞︰敬称略
遠山雄『いつくしみふかき』
f:id:tsotl_7:20210106015156j:plain

妻の出産中にその妻の実家に盗みに入った夫渡辺いっけいが村から悪魔だと非難されて追い出される。
その息子である主人公の進一は30年後、父の件もあり、あることをきっかけに村から良い扱いを受けず排他される。
出ていった先の教会でその悪魔の父と出会い、共同生活を送ることになる。
スリラーやコメディ、ひとつの型にハマらない多ジャンルが二人の複雑な親子関係のように歪な形でまとまっていて、意表を突かれる。


排泄描写は、30を過ぎておねしょしちゃうお茶目な主人公。
日韓のハーフで複雑な家庭環境で育ったそうで、W主演の渡辺いっけいに負けず劣らずの独特な空気を醸し出す舞台俳優さんです。
『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』のシャイア・ラブーフを蹴散らし、見事主演男優賞受賞おめでとうございます!





監督賞

監督賞︰排泄描写から逃げなかった監督
矢崎仁司監督『さくら』
f:id:tsotl_7:20210106015444j:plain


音信不通だった父が帰ってきた。
ある事件をきっかけにバラバラだった家族を繋ぎ止めるかのように回想シーンが紡がれる。
なんと言っても小松菜奈の悪魔的な蹂躙、そして変化球ならぬ悪送球の展開に家族の破壊と再生が描かれる。
本当にこれ、笑っちゃうくらいふざけた話かと思いきやかなりシリアスな展開もあってヘビーです。

原作未読なので言及はできませんが、原作はどうあれ排泄描写という一般的に避けられるであろう描写に目を背けず真っ向から直接的な描写で描ききった気概、矢崎仁司監督を褒めてあげたい。


排泄描写は、犬のうんちと小松菜奈。
何より小松菜奈と排泄描写を掛け合わせる化学反応、これよこれ!
美男美女の恋愛映画みたいに綺麗事で終わらないこういうのが僕は見たいんだ!





作品賞

作品賞︰排泄描写があることで作品価値が上がる
『マティアス&マキシム』
f:id:tsotl_7:20210106015701j:plain


グザヴィエ・ドラン最新作。
幼馴染のふたりが友人の短編映画の撮影のキャストをお願いされて渋々引き受けたが、そこには男同士のキスシーンが。
そのキスシーンをきっかけに心の内に押し殺していた感情が芽生えはじめ…片や婚約者のいる身、片や友情を壊してしまうことを恐れていてオーストラリアへ旅立ちを決心する。

心身ともに二人の絶妙な距離感が描かれるこの作品は僕の2020年の年間ベストでも13位に食い込むほど。
愛の多様性を問う映画が好みの一つなんですが、同性愛と友情を天秤にかけながら他の友人知人、世間の目を気にして自身の気持ちと膠着した状況の乖離に苛立ったり、別れの日程が決まっていることで焦ったり。
二人を繋ぐ"劇中劇の自主制作短編映画"と二人を切り離す"別れという時間"が二人の関係に拍車をかけ、対称的な物事が相乗効果として同じベクトルへと機能する。


排泄描写は、歯磨きの隣でおしっこ。
ビジネスホテルに備え付けられているセパレートタイプではないトイレと風呂と洗面台が一室に備えられた浴室で、歯磨きをする横でおしっこをするという二人の信頼関係(このときはまだ友情という形)。
物語が進むにつれて、世間体を気にして同性愛の恋心に蓋をしてきたふたりが、互いが互いを意識しあっていることを再認識していくんですが、恐らく意識しあってからではこの排泄シーンは描けない。
まだ友情関係であると互いが自分に言い聞かせている関係だからこそできる排泄描写がじわじわと後になってから効いてきます。




まとめ

2020年レクデミー賞(排泄部門)の結果まとめです。



2020年レクデミー賞(排泄部門)
【受賞作品】(全17部門賞)

作品賞:『マティアス&マキシム』
監督賞:矢崎仁司『さくら』
主男賞:遠山雄『いつくしみふかき』
主女賞:ベティ・ギルピン『ザ・ハント』
助男賞:ウィル・ポールター『ミッドサマー』
助女賞:大谷凛香『犬鳴村』
長編アニメ賞:『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』
国際映画賞:『犬鳴村』
脚本賞:『ストゥリー 女に呪われた町』
脚色賞:『前田建設ファンタジー営業部』
衣装賞:『ナイチンゲール』
視覚効果賞:『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒BOP』
撮影賞:『パラサイト 半地下の家族』
編集賞:『オリ・マキの人生で最も幸せな日』
美術賞:『スケアリー・ストーリーズ 怖い本』
音響編集賞:『異端の鳥』
ドキュメンタリー賞︰『行き止まりの世界に生まれて』


なんと、国際映画賞と助演女優賞『犬鳴村』が二冠を達成しました!

おめでとうございます!



ツイキャスのアーカイブはこちらから。


ということで、皆様もこれを機に排泄映画に興味を持っていただき、また排泄映画というものを世間に広めていきましょう!(笑)

今年2021年も、皆様にとって最高の一作、また僕にとって最高の排泄映画に出会えることを願っております。



長々とお付き合いいただきまして、ありがとうございました。